ロマンはどこだ

ビジネスや社会のフレームを考えるのが好きですが、きっとそういう話は一切書かずに、ふざけたことばかり言っているのだと思います。

小賢しくなりたくない

激動の一年であった。

年初に前の仕事を辞め、2回目のニートを経験した後、再就職。
その再就職先も来年には退職することを決め、株式会社を作った。
既にキャッシュフローも順調に回り始めている。
引っ越しは今年だけで2回、そして月1くらいは海外へ旅に出るスタイル。

こうして振り返ると一貫性のかけらもなく、むしろ「フラフラすることが僕の一貫性です」と言いたいくらいだ。

もちろん来年もどうなるのかは全く分からない。
けれど、不安はほぼゼロで楽しみだけが極大化されていることが、この3年間の成長なのかもしれない。


東京に丸一年どっぷり浸かって気づいたことがある。
僕はそれほど多くを求めるほど乾いてはいない、ということだ。
確かに尖ってはいるけど、複雑な家庭に生まれた訳でもなければ、何か大きなコンプレックスを抱えている訳でもないし、すごくお金に苦労した過去がある訳でもない。
普通にストレスなく暮らしていける余裕があれば、十分幸せだと思う。
大きな目標を持って、何かに強い執着を持つほどには、乾いていないのだ。
ただ、みんなと同じが嫌なだけで、人並み以上に面倒くさがりなだけで、だからあえて早めに行動し続け、その結果、東京に行き着いた。
それだけである。

確かに、得たものはたくさんある。
経済的余裕、人脈、お金の回り方、政治の決まり方、そして日本の中心にいるんだという実感。
自分に関西アイデンティティが強く残っているため、まだ影響は薄い方だが、地方から出てきて東京に骨を埋める人が多いのも頷ける。
それほど色んな要素が凝縮された場所だった。
多様な価値観に触れ、今まで経験したことのないことも沢山経験した。
仕事におけるストレスが限りなくゼロになり、時間もお金もある程度自由になった。
こんなに楽な人生はないのではないかというくらい、今は楽な状態だ。

けれども、僕はその延長線上に人生を描く訳ではなく、せっせとまた新しいレールを敷き始めている。
ここに長くいてはいけないという危機感と、ここに長くいても本質的に満たされないという不足感がはっきりとあるのだ。
上京した当初に得られた刺激や新鮮さはいつの間にか影を潜め、沈みゆく船に乗っている感だけがどんどんと大きくなる。
まさに、新卒で大企業に入った時に抱いていた時の思いと同じである。
それを今は東京という街、ひいては日本という国に抱き始めている。

だから少しの間、日本を離れようと思う。
ヨーロッパの小さな国に仲間たちと移住し、腰をすえて仕事ができる環境を構築する。
EU圏のあらゆる国を訪れ、その暮らしや文化に触れながら今後の人生を模索する。
見たい景色を見て、食べたいものを食べ、吸いたい空気を吸う。
半端じゃなく漠然としているが、それが来年のアジェンダだ。


来年はきっと違うことを言っていると思うが、それでいい。
少なくとも今を我慢しないというスタンスを貫きつつも、長期的な観点で見てベストを尽くせているはずだ。
東京に来る直前に少し書いたが、僕はやはり「莫大な理想を掲げてそこに酔いしれ、それをモチベーションとして頑張る」タイプではない。
「本質的で面白いと思うことを丁寧に拾い、それを繋げていく」タイプである。
生まれた時から「乾いていない」僕らができるのはきっとそういうやり方だと思うし、これから主流になっていくのもそういう考え方だと思う。


家にいると集中できないから、ちょっと自習室に出かける。
海外に移住するというと大げさだが、多分、それと同じノリだ。
ちょっと場所が遠くなって、期間が長くなるだけだ。
ただ、一緒に行動できる仲間がいることは本当に幸せなことだと思う。

行動できるバカでありたい。
最後は論理ではなく、ノリで決定できる余裕を持ちたい。
来年はもっと激動の一年になることを願う。


良いお年を。

Q.E.D.